「うおぬま・米ねっと」の概要

魚沼地域は人口当たりの医療従事者数が少ないため、円滑な医療提供を行うためには医療資源(医師・看護師など)を有効活用できる連携体制が必要です。しかし、現状では連携の基本となる診療情報の共有を電話やFAXでやり取りをしているため、円滑に大量の情報を共有できる状況にありません。効率的な医療提供を安全に行うためには、IT技術を活用して地域内で診療情報を共有化する必要があります。

そこで、平成24年10月に「特定非営利活動法人魚沼地域医療連携ネットワーク協議会」を設立し、「魚沼地域医療連携ネットワーク」を構築することとなりました。

このシステムが住民に愛され、多くの方から利用されることを願い、魚沼地域共通の特産物である魚沼産コシヒカリの米(まい)と私のMy(マイ)をかけて、愛称を「うおぬま・米(まい)ねっと」に決定しました。

「米ねっと」に参加した医療機関で「米ねっと」の利用申し込みをした患者さんが受診することで診療情報を共有することとなり、他の医療機関での検査結果や処方・調剤情報の把握が容易になります。この特性を活かすことで、重複検査を減らし、飲み合わせの悪い薬の処方や重複処方を防ぎ、患者さんに、より安全な医療を効率的に提供することを目的としています。

また、救急車で搬送されるときには搬送先の医療機関が米ねっとに登録されている診療情報を参照することにより、搬送される患者さんに対して迅速に適切な治療を開始することが期待できます。

参加のメリット(病院・診療所向け)

他医療機関での検査結果や処方・調剤情報が共有できるので、効率的な診療に役立てることができます。また、アレルギー・禁忌薬情報などの参照により安全な医療の提供に寄与します。

具体的には次のようなメリットが期待できます。

情報共有により他医療機関の診療情報が閲覧できる 参加施設では他医療機関の検体検査結果や画像(圧縮データ)も参照できるため、過去の診療内容をうまく説明できない患者さんでも状態を把握することが容易になります。また、処方・調剤情報の共有により、重複処方や禁忌処方を防ぐことができます。診療情報の共有により病診連携、病病連携を推進し、地域内の医療機関同士でのチーム医療の提供をサポートします。
中核病院の予約 中核病院が事前に予約枠を開放することが前提ですが、検査や診療の予約を米ねっとの端末で行うことができます。
救急搬送受入時 患者さんが救急搬送されてくる際に、事前に他医療機関の治療内容、処方、アレルギーなどの状態を把握できるため、安全・適切な治療を迅速に開始することが期待できます。
災害時のバックアップ 魚沼地域が大規模災害で被災するなどして、診療情報が参照できない場合でも、遠隔地のデータセンターにある米ねっとの情報を参照できるので、災害時医療の支援を行うことが可能です。

なお、診療情報は米ねっとの利用申込みを行った患者さんの診療情報のみを共有します。
また、診療情報の通信は高度なセキュリティを担保した情報通信網で行います。

参加のメリット(保険薬局向け)

医療機関での診療情報を共有するので、安全で効率的な調剤の提供に役立てることができます。
また、アレルギー・禁忌薬情報などの参照により安全な医療の提供に寄与します。
具体的には次のようなメリットが期待できます。

情報共有により他医療機関の診療情報が閲覧できる 参加施設では患者さんがお薬手帳を持参しなくても、処方・調剤情報の共有により、重複処方や禁忌処方を防ぐことができます。診療情報の共有により、適切な服薬指導をサポートします。
※全ての患者さんの処方・調剤情報が共有されるものではないため、主となる情報源は従来通り「お薬手帳」となります。住民への説明では、「お薬手帳が不要になる。」との誤った認識をもたれないよう周知に努めます。
災害時のバックアップ 魚沼地域が大規模災害で被災するなどして、診療情報が参照できない場合でも、遠隔地のデータセンターにある米ねっとの情報を参照できるので、災害時医療の支援を行なうことが可能です。
疑義照会の支援 緊急時の疑義照会は従来通り、電話などによる照会を行っていただく必要がありますが、緊急性の低い疑義照会を安全性の高いメール機能等によりサポートします。

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